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八甲田山

青森市内から八甲田山を望む 24.Apr.2005

青森市内の建物


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 青森といえば、巨大な縄文遺跡(三内丸山遺跡)、豪壮なねぶた祭り、ヒバを代表とする美林の町、内海に恵まれた水産漁業の町・・・とイメージが広がる。 かつての青函連絡船、そして青函トンネル、と北海道との交通の港町でもある。
 しかしこの青森という町の開港以前は善知鳥(うとう)村という一漁村にすぎず、江戸初期の弘前藩が陸奥湾岸(外ヶ浜)を江戸への廻船港として開発した港町でしかなかった。明治になると廃藩置県で各藩が県として乱立、整理合併で県庁所在地は弘前から一港町・青森に移り、青森県を代表する都市へと変わっていった。そのため町のつくりは新しく、歴史を感じる佇まいはなかなか見当たらない。

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案内リスト
1 西田酒造

築年不詳

2 旧・青森営林局庁舎

明治41年(1908)築

3 青森市スポーツ会館

平成14年(2002)築

4 国際芸術センター青森

平成13年(2001)築

 2010年現在、ようやく青森まで新幹線が延長されたが、その新駅は現在の市街地とは無縁の場所で、日本の誇る縄文遺跡(三内丸山遺跡)のすぐ傍となった。青函トンネルを考慮してのレイアウトだろうが、貴重な遺跡はもとよりまわりの環境にも配慮が必要で、カラフルな看板で破壊されないことを願うばかりである。私達は歴史を積み重ねていく発想が欠如していて、この町の生いたちを知るにつけ複雑な思いがする。


西田酒造 旧・青森営林局庁舎 青森市スポーツ会館 国際芸術センター青森

西田酒造

油川大浜

油川から青森市内を望む 1986.8.10 鉛筆・クレパス

 本州最北端の地、青森。 青森市油川は、かつては「大浜」と呼ばれ、鎌倉時代から戦国時代にかけては「外ヶ浜」(津軽半島の東海岸一帯を指す)で最も栄えていた港であった。 この油川大浜に明治11年(1877年)創業の青森市唯一の酒蔵「田酒」「喜久泉」の醸造元である西田酒造がある。
以前に訪れてから20年ほど経つのだがきれいな雁木の印象が強く残っていて再訪した。(2004/8/16)

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2004.8.16 鉛筆・透明水彩

 前回訪れたときには気が付かなかったが、敷地内にある蔵(上図右端の建物)の屋根の母屋桁が二段に迫り出した木組みに支えられているのを発見し西田酒造さんのご厚意でじかに見学することが出来た。

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左側の想像断面図で二段母屋桁がご理解できるでしょうか・・・・?  2004.8.16 鉛筆・透明水彩

 多雪地帯の土蔵において外壁保護のために腰廻りに張られた横羽目板をよく目にするが、そういう雪除けの機能と街道への豪壮な印象をもたせたものと想像される。

また、油川は松前街道と羽州街道の合流地点であり、国道280号線沿いの西田酒造店の傍らには、「羽州街道・松前街道合流之地」の石碑が建っている。

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旧・青森営林局庁舎 (現・青森市森林博物館)

青森市内では唯一かと思われる明治時代に建てられた建物(木造二階建)

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正面スケッチ  2010.5.26 鉛筆・透明水彩

 明治19年に設置された青森大林区署(後の青森営林局、東北森林管理局青森分局)の庁舎として、明治41年(1908)に建設された。ルネサンス様式の大規模な木造建築で、使用材料は青森県産のヒバ材である。
 新庁舎の建設に伴い青森市に移管され、現在は ─ 森と木を考える博物館「青森市森林博物館」 ─ として転用されているが、映画「八甲田山」のロケにも使用された局長室は特別室として復元されている。 青森市に残る数少ない洋風建築であり、明治の雰囲気を今に伝えている。

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側面スケッチ  2004.8.16 鉛筆・透明水彩

 敷地内には、森林鉄道の歴史を伝えるものとして大畑森林鉄道で使用された機関車が展示されている。

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青森市スポーツ会館

 青森市の誇る桜の名所「合浦公園」にスケッチ散歩し、小雨を避けて迷い込み、知らない通りで見つけた新しい建物。

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全景スケッチ  2004.5.3 鉛筆・透明水彩

 当時は六ヶ所村に再処理工場がよく話題になっていた頃で、かたや市内ではあちこちにモダーンな建物が目立つ頃だった。バブル崩壊後なので複雑な気持ちで見ていたが、その後あの「チーム青森」(愛称:クリスタルジャパン)の本拠地だと知ったのは、それからずーっと後になってからだった。(2010年)
 チーム青森は、青森県カーリング協会に所属する女子カーリングチームで、トリノオリンピック(2006年)およびバンクーバーオリンピック(2010年)のカーリング日本女子代表チームに選ばれ大活躍したことはご存知のことだろう。そこであらためてほこりの中から引っ張り出してきたのがこのスケッチ。

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国際芸術センター青森

 青森市といっても八甲田山に向かってかなり行った山中にある建物で、芸術家が長逗留して制作活動が行える施設である。青森市制百周年記念事業で企画された指名コンペによるもの。設計者は安藤忠雄。

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  2004.5.4 鉛筆・透明水彩

 バス停前の広場から、木材で鳥かごのように組んだシリンダーシェルの屋根が森の中へ長い通路で導いていく。森の中に埋没したような丸い建物や、谷に架かる直線状の建物と、まことに単純な記号化したような形態で、環境と対峙した建物群だ。
 円形建物の外周は展示棟で、内部は水面を舞台に見たてた屋外ステージ。円の中心と思われるポイントに逆円錐の物体が朱色に輝いている。(設計意図とは関係なくこのときの展示物とのこと)

 若い芸術家達が大自然を感じさせる山にこもって制作できる環境とは・・・なんて素晴らしいことだろう。雪深い寒冷地のこと、踏み入るには限られた期間であろうが、大いに利用してもらいたいものだ。
一つ気になるのは展示棟の裏側の室が雪を山積みにした倉庫だった。多分夏季の冷房に利用するものなのだろうが、この自然の中でどれだけ利用価値があるのだろう。それよりも単純に倉庫だけの利用にする方が遥かに良かったのでは?環境に託けたエンジニアの独り善がりを感じる。

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