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秋田駒ヶ岳
2.May.2006
田沢、下堂田から秋田駒ヶ岳を望む

千葉家


 千葉家の曲り屋は南部藩の中でも特有のものである。前面の通りから見上げる位置に建っているので豪壮な雰囲気があり、当時の殿様が前を通るのを避けたという言い伝えもある民家である。
飛騨の合掌造りなどと並び「日本10大民家」の一つに数えられ、重要民族資料となっている。

sketch
1986.8.9 クレパス・鉛筆

 この民家に限ってはアプローチのすばらしさをまず挙げておかねばならないだろう。 通常の民家は平地に建てるものだが、この建物は山の裾野の傾斜地に位置しているため、大きな石垣を築いた上にオーバーハングするようにして建っている。その飛び出している部分は外部からの通路(小店・雁木)で、石のハネ出し梁で支持している。結果的には外観に陰影を与え、黒澤映画に出てくるような建物となっている。 もちろん馬屋はこの通路に面して建物の南に配置され、大事にされていることは明らかなことである。
スケッチした当時は、民家として使われていたのだが現在でもあいかわらず現役で住まわれているのだろうか?そうであったら嬉しいのだが・・・・

 花巻から釜石線で遠野の二つ手前の小さな駅(岩手二日町、現在は無人駅のようだ)で降りてから、徒歩で訪ねた記憶がある(片道2〜3Km)。ホップ畑はたわわに実り、廃屋になった曲り屋があちこちに見られた暑い夏であった。 また訪ねてみたいものだが大きく様変わりしていることだろう。重要文化財指定となってしまっては益々行きにくくなってしまった。

──重文指定を聞いた日(2007.10.19)に、当時を思い出して記す



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