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箱根旧街道


 体調チェックのため山麓歩きをしてきた。 「 ♪ 箱根八里は、馬でも越すが 〜 」と歌われる箱根街道は東海道の小田原から三島までの32km。その一部、箱根湯本(海抜99m)の先の宿場町、畑宿(海抜397m)から出発。江戸時代の街道(旧東海道)に沿った現在の東海道は、正月恒例の駅伝で知られるヘアーピンカーブ続きの激しい自動車往来の道。いつでもギブアップを受け入れてくれるやさしい道・・・だろう。(海抜はMapionによる)

畑宿一里塚 (海抜400m?)
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 2014.6.16 鉛筆・透明水彩

 徳川幕府は参勤交代のためばかりでなく人々、物資の往来が盛んになるよう街道や宿場を整備し、交通基盤を整えている。江戸より二十三里(約92km)の一里塚がこの場所。ここから、保存されている石畳が始まる。

石畳特別保存地区 (海抜560m?)
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 2014.6.16 鉛筆・透明水彩

 この付近の石畳は、江戸時代初期の石畳を敷設した当時のもの。左手の並木はもう少し広い場所では土手が築かれ、縦の排水路を確保している。

甘酒小屋 (海抜695m)
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 2014.6.16 鉛筆・透明水彩

 東海道の箱根地区(湯本〜箱根関所間、通称「東坂」)は険しい道。道中には「甘酒」をふるまう茶屋が設けられるようになり、文政年間1818-29)には「甘酒茶屋」との記録がある一つだという。 しかし明治十三年(1880)、国道1号の開通とともに歩行者減少し、この茶屋だけが当時を偲ばせてくれる。

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 2014.6.16 鉛筆・透明水彩

 ここまでたっぷり時間を掛けて、約二時間の行程。当然一杯の「甘酒」を堪能!
本来の箱根街道は右手(山側)に、通っていて、現在は路地のような細い道が茶屋の裏を添うように続いていく。

山中の旧道 (海抜730m?)
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 2014.6.16 鉛筆・透明水彩

 この旧箱根街道は、それまでの(鎌倉時代の)山越えの道筋とは違い、沢に沿ったルートをとっている。そのため斜面を横切る道は狭く厳しい道だが、この辺のように山腹を登るルートは道幅は広く休憩しやすい道だ。 一服したら元気回復、目的地までの予想がついたので、ちょっと寄り道コースをとる。

お玉ヶ池 (海抜760m)
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 2014.6.16 鉛筆・透明水彩

 水量が例年より多いのか?湖畔に沿う道は冠水していた。 目の前の山は箱根の火山活動のうち一番最後に出来た「上二子山」左(海抜1091m)と「下二子山」(海抜1059m)で、現在は入山禁止とされている。箱根の最高峰「駒ヶ岳」(海抜1352m)は左手だが湖畔が深いので見えない。
 元禄15年(1702)、伊豆大瀬村太郎兵衛の娘お玉が関所破りで処刑され、お玉の首をこの池で洗ったという。当時の関所は「入り鉄砲に出女」はタブー、池の名称は裏山を通り抜けようとしたことからの悲劇を伝える。

権現坂 (海抜805m)
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 2014.6.16 鉛筆・透明水彩

 小田原から箱根街道をのぼる最後の難所を辿り着き、一息つくのがこの場所。目の前に芦ノ湖が見えるはずだが・・・立木で叶わなかった。
 この辺りは鎌倉時代の旧道と交叉する場所。しかも一番高い場所なので鳥居はランドマークか? ~社名は未確認。

元箱根の大鳥居 (海抜732m)
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 2014.6.16 鉛筆・透明水彩

 旧箱根街道の石畳は取りあえず町に出たのでお仕舞い。この大鳥居は皇太子ご成婚記念して平成5年(1993)に建替えられたものだという!
どうも近くにある箱根神社とは関係ないらしい・・・? ということでちょっと考えてみたら・・この先にある神奈川県立恩賜箱根公園へのゲートと考えた方がいいようだ! その公園は明治19年(1886)に建てられた皇室の離宮跡地だったからだ! 近くにある湖畔遊覧船(通称海賊船)といい、観光地の仕組みには驚かされる!

賽の河原 (海抜732m)
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 2014.6.16 鉛筆・透明水彩

 大鳥居脇の石仏・石塔群! この地は地蔵信仰の霊地として、江戸時代から東海道を旅する人々の信仰を集めていたという。明治の廃仏毀釈までは多数の石仏・石塔が並んでいたそうだ。
湖面に浮かぶ鳥居を意識して配置・・・? 否、湖水の鳥居は箱根神社のものだが、昭和27年(1952)に建立された「平和の鳥居」! 裏切られることばかりだが観光地だから仕方のないことか。

箱根旧街道の杉並木 (海抜734m)
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 2014.6.16 鉛筆・透明水彩

 この杉並木は徳川幕府が旅人に水陰を与えようと道の両側に植えたもので、東海道では唯一のものだという。苗で植えられたとしても400年の樹齢となる。

(さらに、箱根の関へ続く・・・)


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