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将軍お上がり場から東京湾を望む 遠方はベイブリッジ 鉛筆・透明水彩

浜離宮恩賜庭園


 江戸城の「出城」でもあったかつての徳川家の庭園で、潮入の池と二つの鴨場を今に伝える。

 昔はこの近くの旧芝離宮恩賜庭園や、清澄庭園、旧安田庭園なども潮入の池だったのだが、現在はこの「浜離宮恩賜庭園」だけがその形を残している珍しい庭園だ。
 寛永年間(1624〜1644年)までは、将軍家の鷹狩場だった。 その後屋敷も建てられ「浜御殿」と改められ、歴代将軍の手入れによってほぼ現在の姿の庭園が完成された。
 明治維新ののちは皇室に移管、「浜離宮」と称し、庭園の形態は維持保存されてきた。そして戦後、東京都に下賜され一般公開されるようになった。

お花畑
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お花畑から汐留再開発地域を望む
2006.9.21 鉛筆・透明水彩

 新橋・汐留方面に近い「大手門」からはいるとすぐ目の前に広がるのがこの「お花畑」。一年中花が綺麗だそうが、訪れたときはきばなコスモスが一面に咲いていて見事だった。

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2014年のまだ残暑厳しい折に、黄花コスモスが咲いているというので出かけてみた。


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 2014.9.13 鉛筆・透明水彩

 今年(2014)の夏は暑かった! その影響からか?目的の「黄花コスモス」は終わりかけていた・・・が、本家「コスモス(秋桜)」はボチボチ咲き始めていた。

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横堀水門
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横堀水門  2006.9.22 鉛筆・透明水彩

 東京湾の水位の上下に従って水門を開閉し、池の水の出入りを調節している。
左手が東京湾、右手が庭園になる。 潮の干満によって池の趣を変える重要な装置。

潮入の池
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2006.9.21 鉛筆・透明水彩

 最近再開発された汐留地区のビル群がすぐそこまでに迫っている。 高層のビルの並びがさしずめ現代の東京を城郭都市のように思わせ、海風を市街地に呼び込む障害になって都心のさらなるヒートアイランド現象に一役買っているのでは?と指摘されているのは周知の通りだ。

中島の御茶屋
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2006.9.21 鉛筆・透明水彩

1707年(宝永4)以来、将軍をはじめ御台様、公家達がここで庭園の眺望を堪能した休憩所。
現在の建物は1983年(昭和58)に復元されたもので、抹茶、和菓子が提供されている。(有料)
右手前の張り出しは船着き場で木橋と共に潮入の池に景趣を添えている。

鴨場

 庚申堂鴨場と新銭座鴨場の2つがある。前者が1778年、後者が1791年の築造という古いもので、池は大きな土手と鬱蒼とした林とで一般コースからは遮断されている。いわばバードサンクチュアリのようになっているので、訪れた人の目に触れることはないのだが所々に防空壕のようなものがあるのに気がつく。これが鴨を捕獲するときに使う覗き小屋なのだ。

引堀先端にある覗き小屋
覗き穴・餌入れ口・右手には板木と木槌が見える

 鴨池の中には人になれているアヒルを常日頃飼っていて、渡り鳥である野生の鴨が警戒心が強いながらも池で羽を休める。 餌付けされたアヒルの後のこぼれた餌に警戒しながらもありつき、徐々に一緒に生活する。
 鴨猟の時はその池から土手の外に誘引された幅の狭い「鴨引き堀」を伝って出てくるようにする。その先端には「覗き小屋」があり、その外から板木を叩き、竹筒を通して餌を引堀に流し入れ、訓練されたアヒルをおびき寄せる。警戒心の強い鴨も先頭を行くアヒルの後に従って付いて、狭い引堀に入ったところで、土手の陰に隠れていた人の又手網(さであみ)により一網打尽となる。
 ここで面白いのは先導は雌のアヒルである必要があるということだ。(雄は雌の後を追いかけて仕事にならないとのこと) そしてアヒルは飛べないので舞い上がった鴨だけを捕らえることが出来るという次第だ。
 この狩猟場も1892年(明治25)迄は使われていたが環境の悪化か、それ以降は千葉県市川市の新浜鴨場や埼玉越谷市の埼玉鴨場に移ってしまったが、将軍家から皇室へ、その伝統行事が今に伝承されているのはご存知の通り。 なおこの仕事は「鷹匠」という伝統的な職人が今でも携わっている。


鴨引き堀(左) と 覗き小屋(右) の断面

ちなみに捕獲した鴨は全て野生なので、生態調査の為、足環をつけて放鳥しているとのこと。そして宮内庁の鴨猟パーティーで食されるのは「合鴨」とのことだ。

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