
![]() 新宿御苑内のイギリス風景式庭園 かつては皇室のゴルフ場でもあった (Photo & CG : by やま)
新宿御苑新宿御苑は、東京都新宿区と渋谷区に跨る東京都内有数の広大な庭園である。 それもそのはず、徳川家康が江戸城に入場した際、譜代家臣・内藤清成に江戸の西部要衝として与えた江戸屋敷の一部なのである。その土地は、東は四谷、西は代々木、南は千駄ヶ谷、北は大久保に及ぶ広大なものであった。 そして現在では、環境省が・皇居前広場・京都御所と並び管轄する数少ない公園(「国民公園」と云う)の一つである。 はるのうらら![]() 2006.4.6 鉛筆・透明水彩 公園の真ん中に立って周囲を見渡すと高層ビル街のど真ん中にある公園であることがよくわかる。まさに砂漠の中のオアシスだと実感する。 イギリス風景式庭園![]() 2005.4.5 鉛筆・透明水彩 皇室の御料地時代から当時の「欧化政策」の一環だろうか、庭園にもイギリス式・フランス式と、西欧を真似たものが造られた。そしてその頃のこの辺りにはなんと宮殿が建っていたとは! 公園内のどこからでもこの「ドコモビル」だけは視界からは消えない。 周りの建物と比べてみても、群を抜いて高い建物なのだ。
![]() 大木が似合うイギリス式庭園 2008.4.9 鉛筆・透明水彩 高さ40Mにもなるというこの巨木は我が国に始めて取り寄せられたユリノキ。 その他にも大きなヒマラヤスギが広いイギリス式庭園の原っぱを見下ろしている。 ![]() 【新宿御苑】 穏やかなイギリス風庭園の桜 2012.4.4
2016追加毎年行われる春の集まり。この歳になると仲間が一人、二人・・・と欠けていくが、このサクラ組はまだ全員健在。 ![]() 2016.04.06 鉛筆・パステル 今年のサクラは開花宣言から天候不順でようやく本日が満開・・・そしてこの日は久しぶりの好天気。 ![]() 2016.04.06 鉛筆・透明水彩 苑内のサクラの賑わい!それに劣らず人の賑わい!交わす言葉は日本語だけではありませんぞ。人を避けて芝生の広場を歩いていると、ここは日本か?不思議な気分になる。 新宿御苑の園遊会?今年の冬はおかしな天気だった。なかなか春にならないかと思いきや、突然五月の天気になったり、真冬に戻ったり・・・三寒四温という穏やかな言葉を忘れたかのような気候だった。そのため桜も戸惑ったのだろうか?例年になく早咲きの開花宣言がなされた。ソメイヨシノは3月中でほとんど咲き終わったが、その後の4月の花見をしてみた。 場所は恒例の新宿御苑。 ![]() 中の池を見渡すレストハウスを背景に咲く枝垂桜。 2013.4.4 ![]() 当日のスケッチ風景写真です(写真提供:mn-arima) 御苑内の中の池・下の池になだらかに連なる芝生で昼食。そこで画帳を開いての一枚。負け惜しみを言うわけではないが、ソメイヨシノを凌ぐ見事な枝垂桜。主役の花の種類はよくわからないが、左側の桜は「バイゴジジュズカケザクラ」という牡丹のような厚ぼったい花の連なりも見事。遠くにそびえるケヤキは新芽がまぶしいほど綺麗だ。そして「花より団子」、その後の酒席はいつもの様に盛り上がった。 ![]() 【新宿御苑】 滝のように見事なしだれ桜 2012.4.4
フランス式整形庭園![]() 正面奥はイギリス式庭園。 2008.4.9 鉛筆・透明水彩 両サイドに整然と植えられているプラタナスの並木。中央部は幾何学的に刈り込みされた庭園部分。かつては正面に宮殿のような建物があったと聞いたことがある。 このプラタナスもユリノキと同じように我が国最初に植えられたものだが、二つともここの植物園で殖やされて現在の街路樹へと広められていった。 翔天亭西側領域を独占している日本庭園の方に近寄って行くとこのビルは更に大きく感じられ、公園の主役は完全にこの高層建物になってしまう。 しかしそれもこの辺りまでで、更に進んで行くと視野は高層建物の足下だけとなり、回遊式庭園を巡る頃にはこの高層建物の箱庭のごとき付属施設に思えてくるからおもしろい。 ![]() 2006.4.6 鉛筆・透明水彩 その日本庭園を一望する小高い丘にあるのが お茶室「翔天亭」。 南面する明るく開けた芝庭を借景にしたこの茶室は侘茶に対しての書院茶を意識してのことだろうか。 その景色の先には中国式の建物(台湾閣)が見える。 近くの梅林には「楽羽亭」も建てられている。広間・小閨E立礼席を用意(侘茶を意識?)したお茶室である。 立礼席(りゅうれいせき)では、点出しで呈茶を行っているとのこと。
台湾閣(旧御凉亭) この建物名は「台湾閣」と思っていたが大陸に配慮してか、そうはよばれていない。 ![]() 2006.4.6 鉛筆・透明水彩 日本庭園の一角に水上に浮かぶように立つこの建物の外観はあまりにも異国的で不気味だが、少し薄暗い内部に入ると意外に開放的で、池に面して巡らせた回廊に立つと「翔天亭」に連なる芝庭が眼前に広がり気持ちが良い。 北向きに視界を演出したことからくる眺めの良さは、亜熱帯の彼の地に取り入れられる手法なのだろうか。 昭和3年に竣工されたこの建物は、本格的中国風建築の日本における数少ない遺構として貴重なもの、と評価されて平成16年3月東京都選定歴史的建造物に選定されている。 建物概要 ![]() 説明板より抜粋 主室の卍形は中国の庭園建築に見られるモチーフで、この図からもよくわかる。 大温室![]() 左は椰子も茂る大アーチ温室、右は熱帯スイレン室 2007.3.21 鉛筆・透明水彩 ![]() この煙突とバックヤードが裏方を支えている
新宿御苑の大温室新宿御苑の温室は、2008年からの長期工事でしばらく寂しいものだった。それがこの秋(11/20)にようやく開館した。完成した建物は・・・さて? ![]() 左手の温室(以前からの育種棟の連なり)に沿っての正面アプローチ 2012.12.15 かつての温室は巨大なかまぼこ形の温室を中心にして、いろいろな棟が連なるものだった。それが新装成った「大温室」はたったの一棟。木の葉型の平面をしたユニークなガラスボックスである。 ![]() 大木戸口から 2012.12.15 大木戸口から北面をのぞくとさらにコンパクトなこと・・・そして右手に見える煙突はかつてのバックヤードのもので、今回も引き継いで使用されているようだ。温室は以前の規模より縮小し、さらに現在のエコ技術が消費エネルギーを縮小、効率の良い新型ボイラーはかなり小さくなっているのだろうと推察する。何しろ徹底的にパッシブソーラーの設計でまとめられているのだから。 その他の主な建物古くは「内藤新宿試験場」として、我が国の近代農業、園芸の発展に重要な役割を担った新宿御苑は明治8年(1875)にはガラス張り温室が建てられ、その後も幾度となく大温室に向けて建て替えられてきた。そして2008年から新たな温室の建設に取り掛かっていて現在工事中である。 旧洋館御休所![]() 旧洋館御休所エントランス と 大樹(ヒマラヤスギ) 2011.04.01 ![]() photo:2007.3.21 by(やま) 明治・大正期には皇族方が度々訪れ、その休憩施設として明治29年(1896)に建てられた。 その頃は皇室の御料地、農園としての新宿植物御苑であり、西側のお狩り場では鴨猟、中央のイギリス風景式庭園ではゴルフ場としても利用されていたというから、クラブハウスと理解すれば分かりやすい。当時のアメリカで流行していたアーリーアメリカンの素朴な建築様式を基調としたモダンな建物だ。 ![]() 旧洋館御休所のお隣は大温室(工事中) 2011.04.01
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