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初冬の軽井沢


 秋も深まる11月、避暑地の軽井沢だったらどんな秋だろう・・東京より寒さも一段と厳しいことを覚悟して、シュラフを背にして出かけてみた。

大賀ホール
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矢ヶ崎公園の水面に映す大賀ホール 2016.11.14 鉛筆・水彩

 軽井沢で気になる建物が二つある。その一つが大賀を冠したこの音楽ホールで、軽井沢駅のすぐ近くの矢ヶ崎公園内にある。音響機器会社のソニーが東京通信工業と云った時代から大賀典雄は一藝大生として関わりを持っていた。その大賀氏が会長にまで上り詰め、退職後、この地に音楽ホールがないことから退職慰労金の全てを、この町に寄付し建てられたものである。

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矢ヶ崎公園の水面に映す大賀ホール 2016.11.14 鉛筆・水彩

 この日は月曜日で休館日。残念ながら内部は想像するしかないが、入口にあるロゴ(右図)でも示しているように五角形の平面を持つ音楽ホールのようだ。音響の面で見ると相対する壁は平行とはならず、音楽ホールでタブーとされている鳴き龍現象を回避した計画だということがすぐ読み取れる。大賀さんのアイデアか、意匠・音響の設計者なのかは知る由もない。

 この外観を見て思い出すのは八ヶ岳の音楽堂である。大賀ホールと同じように多角形(六角形)で頂部に天窓を頂いていることまではそっくりだが規模は大分違うようだ。八ヶ岳ホールの外部を取り込んだ開放感とシンプルさが光る!

大賀ホールの追加
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曇天の大賀ホール 2019.07.29 鉛筆・水彩

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快晴の大賀ホール 2019.07.30 鉛筆・水彩

今回の軽井沢行きはいろいろな手違い(たんなる寝坊)があったので昼前の軽井沢駅で時間がタップリ・・・さあどうしよう・・・
そこで有意義に過ごすために駅のすぐ近くにある矢ヶ崎公園を散歩することにした。天気はあいにくの空模様だが前回訪れた秋の大賀ホールとはうってかわってミドサマー突入の避暑地のこと。しかし小雨交じりの天気で水彩は流れてしまいこの日はこれで撤収。
今回の軽井沢行きは東京での合唱練習の合間なのでとんぼ返りとなったが、翌日は好天気。さっそく帰京前の軽井沢駅で迷わず大賀ホールに直行。案の定ホールは使用中だったので館内には入れた。案内板が掲載されていたのでそれを元に平面図をまとめてみたのが左図。
演奏会場は使用中なので遠慮したが、エントランス・ロビ−・ホールの概要は実感できた。
水面に近く開放的なロビーは自然な動線と相まって魅力的。演奏ホールへは階段なしで自由に入れ、五角形のバルコニーが平土間のホールを取り囲む形。コンパクトで魅力的な演奏会場となっているが非常に閉鎖的な空間と想像する。それを天窓が打破する役を担っているのか? 中に入らないでの戯言である。

軽井沢聖パウロカトリック教会

 軽井沢に来て最初に見たい建物がこの建物。今まで幾度となく軽井沢を訪れる機会はあったが、自由を拘束された仕事でのこと、今回は気ままに訪れることが出来た。

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ようやく正対できた教会 2016.11.14 鉛筆・水彩

 大賀ホールから軽井沢のメイン道路をぶらぶらしながら歩く事30分!ようやくついた目的建物は昔と変わらず鎮座。さっそく正面からごあいさつの一枚。

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祭壇裏側からの教会 2016.11.14 鉛筆・水彩

 この教会は1935年(s.10)に英国人ワード神父によって設立されたカトリック教会で、米国建築家が設計したものである。この急傾斜屋根と大きな尖塔が普段見られるカトリック教会とは違って、東方教会の雰囲気を醸し出しているのはチェコ出身のレーモンドだからのものだろう。 内部はもちろん木造で、丸太使いのトラスむき出しの内装。
 この時代はは軍事大国に進んでいく真っ只中で、外国人にとっては不穏な空気の漂う時期。そんなときにレーモンドは軽井沢にアトリエ(現・ペイネ美術館)を持っていた。多分この教会設計の事務所としてだろう。次回はそのアトリエも訪問してみたいが・・・。

御代田の浅間

 翌日は浅間山集中スケッチ・・・のはずが。朝からガスがかかって・・・

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浅間を背景とした教会 2016.11.16 鉛筆・水彩

前回の浅間紅葉はどうなっているのか? 朝もやもなんのその、そのうち日が出ることを期待したが浅間山はベールを被ったまま・・・春と同じポイントに立って描いたものを比較したら、雄大な山があるかないかでこの違い・・・

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 2016.11.16 鉛筆・水彩

早朝スケッチはあきらめて早朝散歩に方針転換。 夏は過ぎて静かな別荘地のこと、どんな木立も秋模様・・・傍らの物置小屋の傷んだ波板も負けず劣らず秋模様・・・ユトリロの絵を連想させる・・・・

ここでまたの方針転換。近くの小諸まで足を伸ばし、紅葉を楽しんでこよう!



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